エンタメ

「夢をかなえるゾウ4」から考える、死と夢

※ストーリーのネタバレはせずに、作中の名言をもとに全力で主観と感想を言いますッ

2020年7月9日に発売された水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神」

今回のテーマは「夢のかなえ方」と「夢の手放し方」です!

主人公は余命3ヶ月を宣告された平凡な会社員です。そんな彼のもとにインドの神ガネーシャが現れ、残りの3ヶ月を妻と小さい娘のためにどう過ごすかアドバイスをしていきます。3ヶ月後…彼はどうなっているのか…?

というわけでガネーシャを始め、神々の名言を挙げながら主観たっぷりに感想をお送りします。

ネタバレはしませんが、名言はほんの一部だけ掲載します。

人間が死に際に後悔する10項目 by死神

  1. 本当にやりたいことをやらなかったこと
  2. 健康を大切にしなかったこと
  3. 仕事ばかりしていたこと
  4. 会いたい人に会いに行かなかったこと
  5. 学ぶべきことを学ばなかったこと
  6. 人を許さなかったこと
  7. 人の意見に耳を貸さなかったこと
  8. 人に感謝の言葉を伝えられなかったこと
  9. 死の準備をしておかなかったこと
  10. 生きた証を残さなかったこと

余命を伝えられた主人公に死神が伝えた言葉です。

耳が痛いですね。

自分が死ぬときを想像してみてもなかなか現実味を感じられないのですが、なんだか落ち着かない気持ちになります。

本の中で主人公はガネーシャから課される課題を次々とこなしていきます。

健康に良いことを初めてみたり、死ぬまでにやりたいことリストを作ったり…ネタバレになるのでこれくらいにしておきますが、これらの課題はすべて死神が挙げた10項目をクリアするためのものです。

死という現実を目の当たりにした時、自分は何を思うのか。

死の先は何があるのだろうか。

なぜ人は生まれて死ぬのか。

「この世界に存在するものは形を変えただけの自分と同じもの。

どこからが岩で石で砂なんか決められへんようにどこまでが自分なんかははっきりとは決められへんねん。」

すべて自分と同じもの、つながっている世界では死という概念がなくただ還るだけ。

しかしこのつながりから離れると、繋がっていないからこそ感じられる喜び、感動、苦しみ、悲しみを経験することができる。その経験をするために私たちは人として生まれたのだ。

これを悟った釈迦は天上天下唯我独尊と言ったそうです。

こうして人間でしか感じられない感情を経験して、命が尽きたら魂はまた次のステージに進むのでしょう。

死神が伝えたこの10項目は死を迎える人だけでなく、死を見届ける人にもあてはまるのではないでしょうか。

明日、自分もその相手も命があるとは100%保証できません。

3ヶ月後の主人公の状況は、言葉では表現できない何か胸の奥が重いけど暖かい感覚を感じました。

「何かを強く望むということは何かを手に入れていない『今』を強く否定することになる。」

「より良い状態を目指し続けるちゅうことは同時に悪いとされる状態をより悪く感じられるようになってまうねんな。」

ガネーシャは人間の欲求=夢であると言っていました。

例えば、頑張ることが「良い」とされればされるほど、頑張らないことが「悪い」とされる。

今は夢を叶えていないことが「悪い」とされる時代になってしまっていると。

「ある夢にこだわって実現しようと努力し続けることは素敵なことやけど、その夢に縛られて不幸になってもうてるなら手放さなあかん時もあるかもな」

と、夢を手放す必要性もガネーシャは話します。

ここから少し自分の話を挟みます。

小さい頃、将来の夢は?とよく聞かれました。

私は「バックダンサーになりたい」と言っていた記憶があります。(幼稚園の卒園文集にはなぜか『お花やさん』と書いていました。笑)

そう言えば大人たちはすごいね!がんばって!と言ってくれる。

小さい頃の私はただダンスをすることが楽しいから踊ってるだけでした。その先のことなんて考えてもいない。ただダンスの仕事と言えばその頃はバックダンサーかダンスの先生しかなかったわけです。

今自分がやっていることの先にある仕事を教えてもらって、「じゃあ…それになろうか?」くらいのテンションだった記憶があります(すいません)

ダンスレッスンに通っています。というと、すごい!と褒められる。

上手に踊れたらすごい!と褒められる。

夢に向かって努力していれば褒めてもらえるし認めてもらえるのか。

あれから20年以上の時が立ってもなお、何か努力していないとといけないとずっと思っていました。

ダンサーとしての夢がひと段落したあと、私は必死に次の夢を探していました。

しかし本の中で釈迦は言いました。

「夢は手段。すべての人の目的は『幸せになること』であり夢をかなえることは1つの手段にすぎません」

と。

気づけば、夢なんて考えずに夢中になってダンスしてた子供が、夢がないと幸せになれないと錯覚して、必死に夢を探す大人になっていました。

この文章を読んだ瞬間なにか胸にスッと入ってきたような感覚がありました。

主人公の境遇が自分とかけ離れていたとしても、たまにあれ?これ自分に言われてる?というような言葉が刺さってきて気がつけば自分は本の主人公になっています。

だからこの本が好きですし、この後の展開は…とか推理せずに、ただ主人公とガネーシャと同じ時を過ごしている気持ちで本が読めます。

まとめ

私は夢をかなえるゾウの新巻が出ることを知りませんでした。それに私がこの本を購入した日が発売日だとも知りませんでした。

その日、急に本屋に行こうと思い立ったんです。本屋に行くと本日発売なのにさほど大きくないスペースで本屋の奥に置かれていて初めて本が出ていることを知りました。1〜3巻すべて購入していて各2ループ以上は読んでいるこのシリーズのファンなはずなのに。笑

本の帯で今回はどんなテーマなんだろうとみてみると、胸の奥がザワッとしました。

最近私の知り合いに突然の訃報があったりと、死や人生について考える機会が多々あったからです。

縁を感じ、買ってすぐ1日で読み切ってしまいました。

死についてはやはり漠然としていて何が正しいとかそういうことではないと思います。

そしてそれを言葉で表すのも難しいというか表すものではないのかなと。

人間が経験するために備えた感情、人と人のつながり、愛。

死を目の当たりにして激しく感じられるその感情そのものが、私たちが経験するために人間として生まれた宿命ということなんですね?ガネーシャさん、死神さん、釈迦さん。

まとめまで読んでいただきありがとうございました。

ABOUT ME
KAZEPA
1994年名古屋生まれ横浜育ち大阪在住。 3歳からダンスと共に育ち、中高バレーボール部、大学は東海大学体育学部で割とアクティブに過ごす。そして現在はエンターテイナー兼クリエイターとして人生を楽しんでいる。